【“参院定数6増”案が可決】
日本維新の会の片山大介です。
西日本を襲った豪雨で、いまだに大勢の方の安否が分からないなか、参院本会議で、参院議員の定数を6人増やす法案が可決されました。
自民が提出したこの法案。
国会の会期末が来週(20日)に迫っていることから、「何としてでも可決させたい」との思惑で、緊急上程されたものでした。
《参院定数増は本当に必要か》
相対的に、自民を信頼している人はいると思います。でも、この参院定数6増案だけは、参院自民の保身のためだけの法案と言えます。
なぜなら、前回の参院選で合区(ごうく:正式には「合同選挙区」と言います)になった4県(▽島根・鳥取と、▽徳島、高知で、それぞれ1人当選)の国会議員を救済しようという目的のものだからです。
表向きは「地方の声を代弁する議員が必要だから」と言っていますが、国民の間に、参議院議員を増やしてほしいという思いが本当にあるのでしょうか?
来年は消費税10%増税が予定され、お金のない今の時代に、“年間一人当たり1億の経費がかかる”と言われる、国会議員を6人増やす必要があるのかどうか?
しかも、今も豪雨災害が動いている、この時期に緊急上程をしてまで…。
《一強のおごり極まれり》
野党がこぞって反対しましたが、自民党はお構いなしで、一方的に採決。政治の世界では『数は力』と言いますが、それにしても、最近の自民党のやり方は本当にひどい。
政治は、多様な意見を尊重しながら、お互いの一致点を見つけていくことが必要ですが、今の自民にはそんな考えはなさそうです。
野党が弱いので、国民からのしっぺ返しもないだろうと安心しきっている感があります。
審議の中でも、自民議員は、皆、自分たちの身分保障を、真顔で正当化していることに、おそろしさを覚えました。
《現場に鈍感な国会議員が多い》
ほかにも、現在、ネット上では、安倍首相はじめ、政府・与党の幹部が、今回の豪雨災害で、気象庁が警戒を呼び掛けていたときに、宴会をしていたことが批判されています。
この問題の根本には、国会議員の感覚が、国民感覚とずれていることがあります。
わたし自身もそうですが、国会議員は、現場感覚から疎くなりがちです。
だから、現場で起きていることに鈍感になり、誰も気にとめることなく、当初の予定どおりに宴会をしてしまう。
普通なら「SNSで投稿するのもやめておこう」となるはずなのに、その感覚すらない。SNSで炎上するまで「何が悪いのか?」ぐらいに思ってたと思います。
わたしは、昔のNHK時代、全国どこでも災害が起きたら、休み中だろうが何だろうが、NHKに出勤し、取材することを徹底的に叩き込まれました。
それができない記者は、評価対象にもなることから、半ば強制的な部分もありましたが、今になっては、とても大切なことを学んだと思っています。
国会議員は、そうした訓練ができていないのだと思います。
《国民は見ていることを忘れずに》
さて、今回の法案の話に戻りますが、自民議員は、それぞれ地元に帰って、支持者に、今回のことを堂々と説明できるのかと思います。
おそらく都合の悪いことは言わないだろうと思います。
でも、国民はきっと見ていると思います。
われわれも、今回の横暴を決して忘れずに、国民に訴えていきたいと思います。
来年は参院選があります。そのときに、今回の悔しさを晴らしたいと思います。