【『機能性表示食品』の課題は】
“脂肪の吸収をおだやかにする”など、食べれば、特定の効果が期待できるとされる『機能性表示食品』。
この制度がスタートして3年がたちましたが、さまざまな課題も見えてきました。その課題について、担当大臣にただしました。
日本維新の会 片山 大介
録画はこちらから ⇒ https://goo.gl/bNEqcH
以下、主な質疑内容をコメントにしました。
《増え続ける届け出件数》
同じような制度としては、トクホ(特定保健用食品)などがあります。
「機能性表示食品」が、トクホなどと違うのは、国が許可するのではなく、食品事業者の責任で機能性や安全性の根拠を示せば、自由に商品を販売できるところです。
このため、商品の件数は年々伸び、すでに1270件を超えていますが、市場に出回っている商品に問題が出てきています。
《誇大広告で措置命令》
まず、誇大広告が増えてきていることです。
そもそも「機能性表示食品」は、その成分に機能性はあるものの、大きな効果があるわけではありません。
それなのに、3枚目の資料にあるような広告を平気でうたっていて(飲めば、3か月で-20cm!)、消費者庁は、去年11月、イソフラボンを機能成分とする商品を販売していた16社を摘発し、「措置命令」を出しました。
「機能性表示食品」に対して措置命令が出されるのは初めてです。
《どこまで正しい理解》
続いて、食品事業者が示す「機能性」や「安全性」の根拠。
これは、主に当該の機能成分に関する「文献」などになりますが、こちらも問題。文献にも、信頼性の高いものやそうでないものがあるのですが、中身は問われません。
そのうえ、事業者自身は、本当に正しいのかどうか精査しないまま使っているケースもあるんです。
《健康被害が出たときの対応は》
さらに、もう一つ。
万が一、『機能性表示食品』で健康被害が生じたときの対応。
この制度が始まって3年になりますが、一般の消費者から、「健康被害が出た」と消費生活センターに届け出たケースは23件あります。
この数字が多いか少ないかは別として、問題なのは、いずれのケースも、食品事業者側から消費者庁への報告は、一切、なかったことです。
いろいろ取材してみると、食品事業者の言い分は、「因果関係がはっきりしないから」ということらしいのですが、消費者庁のガイドラインを見ると「不十分な情報でも速やかに報告すること」と書かれています。
要は、守られていないんです!
そうなると、因果関係がはっきしないかぎり、その商品は販売され続けるということになり、何も知らされない消費者にとってはこわい話です。
《消費者目線で見直しを》
こうした問いかけに対して、消費者問題の担当大臣は「しっかり対応していきたい」と述べました。
「機能性表示食品」の制度を、今後も続けていくというのなら、こうした問題をどこまで見直していけるのか、これからもきちんと見ていきたいと思います。