【過去の公害から学ぶ】
参院環境委員会で、愛知と三重に視察に行きました。
視察先は、いずれも過去の公害問題を教訓に取り組みを進めている施設で、日本の環境問題の歴史を振り返る機会となりました。
(「日本維新の会」参議院議員 片山大介)
《四日市の取り組み》
三重県では「四日市ぜんそく」の展示館へ。
「高度経済成長期」に起きた公害で、皆さん、社会の勉強で習ったことがあるかと思います。
この公害を巡っては、被害者が集団訴訟を起こして勝訴。その後、▽被害者への救済と共に、▽環境改善の取り組みも進められ、四日市市は、今では「環境先進都市」となっています。
ぜん息の患者には今も補償が行われていて、今国会では、この補償の期限を延長させる法案が審議されます。
市の担当者から、▽補償がどのように役立てられているか、また、▽課題は何かなどを聞きました。
《PCB廃棄物の処理施設へ》
そして、愛知・豊田市(とよた)では、「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」が使われた製品の廃棄物を処理する施設を訪問しました。
「PCB」は年配の方ならご存じだと思います。
不燃性があり、電気の絶縁性も高いことから、こちらも「高度経済成長期」にさまざまな機器に使われましたが、健康被害が出て社会問題となり、製造は中止。
この施設では、今も残っている当時の製造品の廃棄物を受け入れ、処理を行っているんです。
厳重な管理の下、作業員が、機器の解体や洗浄をしながら「PCB」を取り出していき、最後は「リサイクル」や「焼却処理」まで行う工程を見学しました。
《公害問題から学ぶこと》
2つの施設を見ながら思ったことは、公害問題は、加害企業側にその意図がなかったのに、多くの罪のない人が苦しめられたということ。
当時の社会では、公害に対する技術的な知見もなかったのも事実ですが、被害者側からすると納得できることではありません。
今後も起こりうる問題であり、それだけに、過去の公害を教訓として後世に伝えていく必要性を改めて感じました。