【相手を思いやる言葉】

 東京・中央区で、親への感謝を詩や作文で表す催しが開かれ、来賓であいさつしました。職業柄、いろいろな行事に出ますが、この大会は本当に心が温まります。
  
 あいさつで述べたことと、日ごろの思いを紹介します。

(「日本維新の会」参議院議員 片山大介)
     
      
《「親守詩(おやもりうた)」とは》
                           
 この大会は『「親守詩(おやもりうた)」全国大会』です。聞き慣れない言葉ですが、とても意味のある言葉です。
         
 「子守唄」とは逆に、子どもから親へ感謝の気持ちを詩や作文で表わそうという意味で、15年ほど前、愛媛・松山市で生まれた言葉です。
         
 その後、「親守詩」の動きは全国各地に広がり、各都道府県の大会に加え、全国大会も開かれています。
       
 私は、去年11月の兵庫大会に出席して感銘を受け、今回、全国大会にも出席することにしました。


  
《言葉の使い方は大切》
   
 私は、以前、NHKの記者をしていました。
    
 記者の仕事は、世の中のできごとや、自分の考えを、言葉で表現する仕事で、言うなれば、言葉のプロだったわけですが、言葉の使い方にはいつも注意を払ってきました。
   
 例えば、ある原稿で、主語を書くときにも、「…は」なのか、それとも「…が」のほうがよいか?
     
 これは、俗に「てにをは」と言うのですが、それ一つをとっても、事実に近いニュアンスを伝えるためにはどちらがよいのか悩んだものでした。

《豊かな心を育む》
    
 だから、この「親守詩」を通して、子どもたちが、どのようなことばを使えば、自分の思いが正しく伝わるかを考えるのは、とてもよいことだと思います。
                  
 「表現力」が身につくのはもちろんですが、人を思いやる優しい心、豊かな心も養われるからです。
       
 例えば、今回の受賞作品でも、以下のような良作が。
     
 『ねむいぼく きづけばママの うでのなか』(大阪・園児)
 『おかあさん かたがこってる ぼくでばん』(愛媛・小2)
 『亡き父へ まかせておいて 母のこと』(大阪・一般)  

 
    
    
《乱暴な言葉が行き交う時代だから》
   
 今の時代は、SNSの発達などで、ツイッターなどを通して、相手を傷つける乱暴な言葉を、ちゅうちょなく使うようになってきていると思います。
   
 日本語の持つよさが失われてきているのではないかと、とても危惧しています。

 だからこそ、子どもたちが、こうした言葉を考える機会は、とても大切だと思います。

《笑顔になる言葉を》

 あいさつでは、最後に「皆が笑顔になれるような言葉のやり取りを増やしていってください」と述べました。

 そして、壇上から降りると、最前列の小さな子どもから「有り難うございます」と返答があり、会場が一瞬和みました。

 次の予定があったので、会場を出ましたが、前回と同じく温かい気持ちになりました。