【建設現場の「働き方改革」は】

 『建設作業員の安全と健康に配慮した働き方』を考えるシンポジウムが、東京・港区で開かれました。各党から国会議員14人が参加し、議論は白熱しました。

(「日本維新の会」参議院議員 片山大介)

 

《安全がおざなり》

 まず何より、建設現場では、作業員の安全がおざなりになっていることが多いんです。
                 
 例えば、高いところで作業を行う場合でも、手すりを作らないなど安全対策を怠っていることが多く、その結果、墜落や転落事故が相次いでいるんです。
   
 そして、建設作業員の中には、社会保険に入っていない人も多く、それが二次下請け、三次下請けとなるほど多くなっています。
     
 さらに、日給で働いている人が多く、もともとの賃金が低いので、収入を得るためになかなか休めないのが実情です。
         
 国は、「働き方改革」をうたっていますが、建設現場の労働環境がいかに悪いか分かると思います。
     

《理念法だけでは進まない》      
                          
 去年3月には『建設職人基本法』という、作業員の安全に関する法律が施行されました。
   
 しかし、基本理念を定めているだけで(これを「理念法」と言います)、具体的な規制や罰則などは規定されていません。
               
 なので、この1年の建設現場の事故は、法施行で減るどころか、逆に増えてしまっているんです。
       

 

《官民格差をなくすこと》 
                
 シンポジウムでは、法の趣旨を具体化させるためにはどうすればよいのかを話し合いました。
                           
 私は、国の直轄工事は現状でも安全対策を施しているのに対し、民間工事は遅れている点を指摘。
        
 そのうえで「安全対策に官民格差があってはならず、今ある規則を違反した場合には罰則を設けるべき」と訴えました。
        
 それにしても、国会議員14人によるシンポジウムは初めてで、これだけ多いと、ひとり一人の発言時間もかぎられ、もう少し話したかったのが実感でした。
       
     

《高所作業のこわさを仮想体験》 
        
 このあと、隣の会場に行くと、▽人形を使った墜落実験や、▽ゴーグルを付けた建設作業のバーチャル体験が。
  

 さっそく、バーチャル体験を行ってみました。

       

 高さ40メートルの現場で、手すりもなく作業するこわさを体験。ちょっと体勢が崩れると、そのまま落下してしまいます。
        
 安全対策実現の必要性をいっそう認識しました!