【初登院を前に】

前回から久しぶりの更新になります。
この間、ご存知のように参議院選挙が行われ、当選することができました。
明日(8月1日)はいよいよ初登院。参議院議員としての仕事が始まります。
今回は、参院選を振り返って感じたこと、そして、参議院議員として臨む心構えについて述べたいと思います。

【今の選挙はお金を使いすぎる】

今回の選挙で感じたこと。
まず何といっても、お金がかかりすぎることです。
一例を挙げれば、ポスター貼り。
選挙になると、各候補のポスターを貼った掲示板が設置され、兵庫県では実に1万4000ヵ所に上ります。
この掲示板、行政が各箇所に設置したあと、各候補の陣営がそれぞれ回って、1枚ずつ貼っていく仕組みです。だから、われわれのように人手のない陣営は、高いお金を払って、業者にポスター貼りを頼むんです。
でも、これって本当に非効率だと思います。

行政が各箇所に設置する前に、各候補のポスターを集めて事前に貼ればよいのに、行政も政治も決してそうしようとしない。

なぜか?そのほうが組織力のある政党にとって有利だからなんです。
ほかにも、選挙期間中に、候補者1人1人が、▽ビラ(26万5000枚)や▽ハガキ(6万2500枚)を作るのですが、こちらの費用は公費で賄われる、すなわち税金が使われているんです。それも、かなりの額になります。
今の時代、これだけネットが普及しているのだから、お金がかからないようにすることは可能なのに、選挙に関しては、それを行おうとしない。
そうなってくると、選挙に出られるのは、▽組織や団体の後ろ盾(金や人手)がある人か、▽お金持ちの人、さらに▽よっぽどの決意で出たいと思う人に限られてきます。お金のかかる選挙が、人々の政治参加を妨げ、政治に対する距離を生んでいるのが今の実情なんです。

【相手をおとしめる行為が多い】

次いで感じたこと。
誹謗中傷などで相手候補をおとしめる行為がとても多いことです。
私自身、▽怪文書をばらまかれたり、▽尾行をされたりと、さまざまな嫌がらせを受けました。こうしたことで、相手より有利に立とうとすることに大変遺憾に思います。
その一方、JC(青年会議所)が主催した公開討論会には、私を含めて2党の候補しか参加の意思を示さず(ほかの5党の候補は不参加)、結局、討論会は中止になりました。
選挙というのは、本来なら、各政党や候補が政策を訴え、有権者にいちばんよい候補を選んでもらうことなのに、そうなっていない現状があるのです。
こうした旧態依然の選挙を見直さないかぎり、いつまでたっても政治は身近なものと国民に考えてもらえないとしみじみ感じました。

【参議院の存在意義を】

さて、当選後、あいさつ回りを続けていますが、何人もの方から「将来は衆議院に出て」ということばをかけられました。当選したばかりなのに、そう言われることに若干戸惑いました。
でも、参議院について、そう思われてしまう現状は考えなければいけないと思います。
参議院の本来の役割は、政局に走りがちな衆議院の審議に対し、▽抑制を図り、▽補完を行う、そして▽バランスを保つことです。
だから、参議院議員には、▽より政策に長け、▽人柄のよさも求められると思います。実際、被選挙権も、衆議院の25歳以上に対して、参議院は30歳以上になっているのも、そういう部分があるからだと思います。
熟議の府、良識の府をもっとアピールしていかなければいけないと思います。

【1年生もベテランも関係なし】

いよいよ明日から国会が始まります。

実質的な審議は9月中旬からで、TPP承認案など重要審議が目白押しです。これまで記者時代に感じてきた疑問を率直にぶつけ、政府・与党から誠実な答えを求めていきたいと思います。
今回の選挙で、私は、有権者に対して、さまざまな約束をさせて頂きました。

▽どこの政党にもできない「身を切る改革」、

▽一向に変わらない「政治と金の問題」をはじめとした古い政治を変えていくことです。
有権者の皆さんは、今の政治に対する不満がたまっていると思います。当選した以上、1年生議員もベテラン議員も関係ありません。
私は選挙で有権者53万人の負託を受けました。

その重さをしっかりと受け止めて前へ進んでいきたいと思います。