【コロナ診療の最前線視察】

 兵庫はじめ10都府県の『緊急事態宣言』は延長されることになりましたが、兵庫の場合、ほかの都府県と比べ、緊急性の高い課題が“病床のひっ迫”。
 
 兵庫県内で、現在、コロナ重症者を主に受け入れる基幹病院は5か所ありますが、そのうちの一つ『神戸中央市民病院』を視察しました。
 
 
《全国初の臨時専用病棟》
 視察は、兵庫1区の一谷勇一郎(いちたに・ゆういちろう)支部長と一緒で、敷地内にある「コロナ臨時病棟」を訪れました。
 
 この病棟は、全国でも初めて整備された、コロナ専用の臨時病棟で、プレハブの平屋造り。病床数は36床あり、▽ICU機能を備えた個室14床の「A棟」と、▽中等~重症に対応する22床の「B棟」に別れています。
 
 でも、重症者が増えたため、現在は「A棟」「B棟」を区別することなく、重症者に充てているということです。
 
 そのうえ、残り病床数は少なく満床に近づいているということで、重症者の「最後のとりで」の病院で限界が近づいていることにおそれを感じます。
 
 
《「必ず助ける」覚悟》
 『スタッフステーション』は施設の真ん中あたりにあり、医師や看護師らは、そこから「ゾーニング」を経て、病室へ行き来していました(写真)。
 
 
 そして、すべての部屋にモニターが設置され、『スタッフステーション』で24時間体制で体調の変化を逃さないようにしていました(写真)。
 
 モニターを見ると、多くの患者は人工呼吸器を付けていて、まさにコロナと戦っていることを実感します。
 
 医師や看護師らは、落ち着いて行動しつつも、その顔からは「必ず助ける」という気迫を感じました。
 
 
《政治に求められるもの》
  責任者の医師に話を聞くと、「国に言いたいことは沢山ある」とのことでした。
 
 このギリギリの状態はいつまで続くのか?
 
 本気で病床を増やす努力をしているのか?
 
 支援措置はいつまで続くのか?
 
 そうした先行きを示さないことに「不安を感じている」ということで、政治の不作為を申し訳なく思いました。
 
 
《感謝の思い》
  最後にスタッフルームを出ようとしたところ、手紙が貼られているのが目に入りました(写真)。
 
 地元の子どもたちが送ったもので、医師や看護師らへの感謝の思いが綴られていました。
 
 最前線で戦っている人たちを救うために、政治はもっとやることがある、そう実感しました。