【保育士の処遇改善が進まない本当の理由】

 参議院の予算委員会で「日本維新の会」を代表して質問しました。テレビ入りだったので、かなり気合いを入れて臨みました。
    
 質問内容は2つ。「保育士の処遇」と「マイナンバー制度」。わたしの主張は以下のとおりです。
   
   
《制度矛盾が処遇改善を妨げる》
   
 まず、保育士の処遇について。

 国は、毎年のように処遇加算をうたっているものの、現場の保育士さんから「よくなった」という声はあまり聞かれません。

 なぜなのか、その理由を説明します。
    
 国と自治体(県・市区町村)は、個々の保育施設に対し、毎年、「委託費」というお金を渡しています。保育施設は、これと保護者からもらう「保育料」で運営を行なっています。

 この「委託費」には、保育士の給与にあたる人件費も含まれ、その算定額は年380万円です。

 これを公定価格というのですが、実は、受け取っている保育施設側は、その金をきちんと給与に充てていないんです。
   
 知っていましたか?
 
 これは、国の通知で「人件費に充てずに流用すること」を認めているからなんです!

 その結果、実際に保育士が受け取っている年収は、最新の内閣府調査で平均315万円。

実に65万円の開きがあるんです。

 

 国は、処遇改善を訴えていながら、流用を認めている矛盾。本気で処遇改善したいのなら、まず、この通知を見直すべきです。
  
  ●詳しいやり取りはこちらから
     https://goo.gl/b98kii

  ●委員会で配布した資料はこちらから
     https://goo.gl/j9KE1p

 私の主張に対し、総理や大臣は「検討する」旨を述べました。ぜひ、改善してほしいと思います。

 

《このまま有効期限が来たら》
  
 続いては、マイナンバー制度。
  
 2年続けて、補正予算で100億円ずつ、計200億円かけてシステム改修に使うと言うんです。
  
 その改修は、マイナンバーカードの名前の欄に、旧姓を併記できるようにしようというものですが、▽マイナンバー制度は始まってまだ2年だし、▽カード普及率も10%と低いにもかかわらずです。
  
 そのうえ、KPI(業績評価)もろくにしていない。 
  
 これは、民間のロジックではあり得ないことです。それを、税金だからといって、深く考えずに予算を付けるのは間違いで、今後はしっかり評価するよう求めました。

 そして、何より、カードの普及率を上げることに努力するべき!

 皆さんは、マイナンバーカードに有効期限があるのをご存知ですか?二十歳未満の人の場合「カードを取得して、5回目の誕生日まで」なんです。

 そうなると、早ければ、2年後には有効期限を迎える人が出てくるのですが、このまま、普及率が低いままだと更新しない人も大勢出てくる可能性があります。

 だから、この1〜2年が普及率をあげるための正念場なんです。ぜひ、国には頑張ってほしいと思います。

    

 

苦渋の決断で補正予算に賛成》

 

 さて、今回の審議は、今年度(29年度)補正予算案の審議でした。

 
 この日のうちに、予算委員会採決、本会議採決となったのですが、わが党は、検討したうえで「賛成」することにしました。
  
 本会議での「賛成討論」も私が担当。  

 結果、補正予算案は賛成多数で可決・成立しましたが、苦渋の決断でした。

  ●録画はこちらから → https://goo.gl/3XwLom