【マスク不足は終わらない…】
全国すべての世帯に2枚ずつ配る「アベノマスク」。感染者の多い東京から、順番に配付され始めました。
先週末、参議院議員会館の私のポストにも投函されていました。
国会議員だけ特例で配っている?
厚労省に問い合わせたところ、「各家庭だけでなく、『日本郵便』が把握している、すべてのポストに投函している」ということです。
なので、人によっては、2セットもらう人もいるかもしれません。
《急ぎすぎて裏目?》
このマスクを付けてみると、確かに小さい。
それに「カビが生えていた」などの報告も相次いで、これから配ろうとしていたマスクは、いったん回収されることになりました。
ふつう、マスクなどの衛生用品を作る場合、試作品を高温・多湿の場所に置いて、カビが生えないかなど何か月もかけて確認した後に納品します。
今回は、急いだあまり、1億枚にも上る大量のマスクを早期に作らせたところに、そもそもの無理があったといえます。
では、その回収されたマスクは、いつ配付されるのでしょうか。
総理は、29日の予算委で「配付率はまだ4%」と述べていて、厚労省のサイトで都道府県ごとの配達状況を紹介しています。⇒ https://bit.ly/2WcNQal
≪需要把握も追いつかず≫
では、店頭にマスクが戻ってくるのはいつになるのか?
まだまだ時間がかかりそうです。
日本は、マスクの8割を中国などの輸入に頼ってきて、コロナ問題が起きて、中国からの輸入がいったん止まってしまいました。
その後、戻り始め、政府は国内の供給体制も増加したことで、コロナ以前より多い「月間7億枚の供給体制を整えた」としています。
しかし、問題は、今の需要が、そんなレベルではなくなっていること。
実に「週5~6億枚」、月換算で20億枚とも言われおり、とても追いつく数字ではありません。
抜本的な解決を図ろうと思うなら、ほかの国と同じように、政府がお金を出して中国の工場を押さえ、マスクを持ってくるようなことも考えなくてはいけないと思います。
≪高級生地のマスクも≫
国内各地では、既存のマスクメーカーだけでなく、異業種からの生産も起こっています。
その一つが、兵庫・西脇(にしわき)の『播州織(ばんしゅうおり)』。
「播州織」は、海外ブランドのシャツにも使われる高級生地。中には、地元出身アーチスト、トータス松本さんを描いたイラスト入りマスクなどもあります(写真2枚目)。
私も、予算委員会に「播州織」のマスクを着用して出席しています(写真1枚目)。
各議員のマスクを見ると、いずれもオリジナリティがあって、マスクも一つのファッションに。
東京都の小池知事も会見のたびに違ったマスクを付けて登場しているし、こういう楽しみ方もあるのかもしれません。
《輸入依存の重いツケ》
いずれにしても、今回のマスクの教訓は、国民の健康に関わる物資を、海外に依存しすぎていたこと。
コスト優先になっていたわけで、かつてのコメ不足でタイ米などを輸入しなければいけなくなったときのことを思い出します。
あれからコメの備蓄も強化されました。
今回も、改めてそれに気づき、政府は、あす(30日)に成立する補正予算で、▽工場の国内回帰を促すための設備投資に補助金を出し、▽売れ残った場合でも備蓄用として買い上げる予算を確保しています。
どうも、日本は痛い思いをしないと分からないところがあるのかもしれません。
これを機に、ほかにもないか改めて考えて欲しいと思います。
《マスク不足はまだまだ続く》
今は、外出自粛でマスクの使用頻度が下がっていますが、「緊急事態宣言」が解除されたら、皆外に出て、需要がさらに上がる可能性もあります。
新型コロナとの戦いだけではなく、マスク騒動もまだまだ続くと思います。