【緊急事態宣言!兵庫の対応は?】

 日本維新の会の参議院議員・片山大介です。『元NHK記者 片山大介のなるほど政治リポート』。今回は、緊急事態宣言について。

【緊急事態宣言とは】

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、安倍総理は、昨夜(7日)記者会見し「緊急事態宣言」を行ったことを明らかにしました。

 対象となるのは、東京・兵庫はじめ7つの都府県で、期間はGWが終わる来月6日まで。

 社会全体が自粛体制に入り、「いよいよ」という感じですが、パニックにならないことが大切です。買い占めの必要もなく、冷静な対応を心がけることが大切です。

 この7府県の知事は、以下にあるような措置を行うことになります。

 1)住民に不要不急の外出自粛などを要請。

 ただし、これは、道路や店が封鎖され、外が歩けなくなるわけではありません。海外では、ロックダウン「都市封鎖」と呼ばれ、外出すると、罰金を取られたり、道路が封鎖されたりしますが、日本ではそういうことはありません。

 2)学校や保育所、音楽イベントなど、人が多く集まる場所の使用制限や停止について、要請だけでなく指示も可能。

 でも、こちらも罰則などはなく、要は、今までの自粛要請と変わらないと思えば大丈夫です。

【兵庫県はどうなる?】

 さて、「緊急事態宣言」が出たことを受けて、兵庫県でも、井戸知事が緊急の記者会見をしました。

 実は、総理会見に合わせて、対象となる各都府県の知事が次々に会見したのですが、兵庫県の井戸知事の会見が始まったのは、ずいぶん遅くなってからでした。

 なぜか聞いたところ、緊急事態措置の対象範囲を巡って、議論していたとのことでした。

 兵庫県は、県土の面積がとても広く、阪神間で感染者が多い一方、北部では出ていません。

 なので、全県統一した対応にするか、地域ごとに分けるか悩んだものの、結局、全県一律のお願いになったということです。

 井戸知事の会見では、まず、県民に外出の自粛を要請したうえで、感染リスクが高まるとされる『3つの密』(「密閉」「密集」「密接」)が重なるおそれのあるイベントなどの自粛を要請しました。

 ただ、東京などでは、自粛などを要請する対象施設の案(例えば、ネットカフェやカラオケ、それにパチンコ店など)を示したものの、兵庫県では、そうしたものは細かく示されませんでした。

 この件についても聞いたところ、「今後の状況に応じて示す可能性がある」ということでした。私は、早めに示したほうがよいと思います。

 そして、医療体制については今月中に病床を500床に増やすということです。

 兵庫県では、4月6日現在で209人が感染し、このうち137人が入院。病床数は37か所で246床ありますが、それを4月中に倍増することになります。

 計算上は十分な数ですが、爆発的な感染拡大「オーバーシュート」が起きたら、足りなくなるおそれがあります。

 県は、無症状や軽症者のひとが移るホテルなどの確保に着手し、4月中に500室の確保を目指すとしています。

 その点は良いと思いますが、大切なことは、どのような基準で、ホテルなどへ移ってもらうかを定めることだと思います。

 【宣言の解除などは?】

 いずれにしても、今回、「緊急事態宣言」が出されたことで、これまでの要請とは違い、▽県民が自粛しようという「心理的な効果」も大きいし、▽在宅勤務などを迷っていた企業なども判断しやすくなると思います。

 その代わり、県には、いつまで個人や企業が何をすれば、感染拡大を抑えられるのか。そして、どうなると、対策が効果を発揮したとして、宣言が解除されるのか?

 その見通しを語る必要があります。

 ただ、行動制限だけ求めても国民は戸惑います。また、心に訴える自粛により、外に出たら怒られるような、極端な同調圧力が生まれることは好ましくないと思います。

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